Mr.Kabuskyの雑論

個人投資家 / 株式投資 / テクニカル分析をメインに、短期スイングでトレード / note版 「短期スイング概論」(https://note.mu/mr_kabusky/n/nd297d59032e2)でメイン手法についての個人的な考えを発信。

映画「いぬやしき」と「アイアムアヒーロー」の寸評

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私はテレビはほとんど観ないが、映画はよく観る。特に最近は、「Amazonプライム・ビデオ」のコンテンツが充実してきたのが有難い。その中で、面白かった映画を簡単に挙げていく。

まずは「いぬやしき」。最近、話題の映画「キングダム」の佐藤信介監督の作品である。「GANTZ」や「図書館戦争」の監督でもある。「いぬやしき」は高度な知的生命体らしき物体に身体をロボットに改造される高校生(佐藤健)と冴えない中年男性(木梨憲武)がバトルを繰り広げる話である。特に木梨憲武の演技が良い。職場の人間や家族から疎まれ、どこにも居場所がなく、更に余命いくばくかの中年男性であるが、肉体がロボット化したことにより、超人的なパワーを手に入れる。佐藤健演じる高校生とは対照的に、それを人助けに利用するが、その中で自己のアイデンティティを回復していく様が上手く描写されている。

全体的にはよくあるSF物で、CG面で「日本らしさ」が出ており、その辺りは若干のマイナスポイントであるが、それを差し引いてもストーリー性は高く、最後まで視聴者を飽きさせない。気軽に観られるという点でも、おススメしたい。

そして、同じ監督の作品である「アイアムアヒーロー」。正直、最初観るまではあまり期待していなかった。大泉洋が主演ということでふと観ようと思っただけである。ただ、観終わった感想としては、予想を良い意味で裏切った。内容的にはZQN(ゾキュン)と呼ばれるゾンビ化した人間と闘う物語で、ストーリー展開は「逃げる、闘う」でよくあるゾンビ映画と同じである。主人公の鈴木英雄(大泉洋)は売れない漫画家で、漫画アシスタントをしながら大成することを願っているが、なかなか芽が出ない。恋人のてっこ(片瀬那奈)との喧嘩をキッカケに物語が動き出し、特にZQNとなったてっこと対面するシーンはなかなか強烈なインパクトを持った描かれ方をしている。「リング」の貞子を想起させる不気味で異様な身のこなし方が恐怖心を煽る。

R15指定ということで、物語の終盤にはグロテスクな描写が続くが、それ以上に英雄が男として覚醒していく様がストーリーと共に上手に描かれていく。ラッパーの宇多丸氏が「去勢化された男性像」と上手い表現をしていたが、まさに物語の中盤までは英雄は「ここぞ」という場面で男気を発揮できないダメ男であった。それが、ある事をキッカケに覚醒する訳だが、大泉洋の独特の演技と併せて観ると、なかなかの感動的なシーンに仕上がっている。物語はシリアスな場面だけでなく、コミカルな要素も随所に散りばめられており、その緩急さも個人的にはプラスの評価であった。

日本版ゾンビ映画は「ちゃちい」印象を与えるが、本作においてはそれは妥当しないように思う。完全なるリアリティを追求した作品というより、大泉洋のキャラも相まって全体的にホラーにポップ的要素を加えた面白いエンタメ作品になっている。